「家事代行を頼みたい」と話したら、「自分たちでできるのに、もったいない」と言われた。
仕事が終わっても家のことが続き、もう余裕がないのに、うまく伝えられない。
そんなときは、出費の是非だけで話し合うと行き詰まりやすくなります。
まず揃えたいのは、何に困っていて、何を減らしたいのかという認識です。
家事代行を利用するかどうかに加えて、家事を減らす方法や分担も並べて考えてみます。
この記事では、夫婦で確認したいことと、具体的な会話例を紹介します。
「もったいない」の理由と、今の負担を分けて考える
同じ言葉でも、理由は一つとは限りません。
「毎月の支払いが増えるのが心配」「知らない人を家に入れたくない」「頼む準備が大変そう」など、気になっている点を確認すると、次に検討することが見えてきます。
家事代行サービスを運営するタスカジの2021年の利用者調査でも、導入への抵抗感の理由として、他人を家に招き入れることが男女ともに最も多く挙がっています。
利用者351人を対象とした調査であり、すべての夫婦の意見を示すものではありませんが、費用以外にも気がかりがあることを考える参考になります。
一方で、頼みたい側の疲れを「気にしすぎ」で終わらせないことも大切です。
金額への心配と、休む時間がないつらさは、どちらも話し合う価値があります。
話し合う前に、家事を「最初から最後まで」書き出す

例えば料理なら、調理だけでなく、献立を考える、食材の残りを確認する、買い物をする、食器を洗う、台所を片づける、といった作業があります。
「夕食を作るのは30分」と考える人と、前後の作業も担っている人では、負担の見え方が違います。
東京都の「名もなき家事」の発信でも、名前のつきにくい細かな家事に目を向けています。
まずは普段の1週間について、次の4点を簡単にメモしてみてください。
正確な時間を測るために、さらに疲れる必要はありません。
- 負担が大きい作業は何か。
- 誰が気づき、準備し、最後まで担当しているか。
- どの曜日・時間帯が特につらいか。
- 減らせたら、その時間を何に使いたいか。
「私ばかり大変」と伝える代わりに、「火曜と木曜は帰宅後の食事作りと片づけで休めない。
どちらか一日だけでも減らしたい」と具体化すると、検討する範囲を絞れます。
夫婦で確認したい5つのこと

1.最初は、減らしたい家事を一つ選ぶ
最初から家全体を任せる必要はありません。テレビで見るお金持ちの家のお手伝いさんのイメージが強い方もいるかもしれませんが、今は手軽にお願いできるサービスも増えています。
掃除、食事作り、普段なかなかできない場所の掃除などから、今いちばん困っているものを選んでお試しで利用してみるのもいいかもしれません。
エアコン掃除や換気扇などの掃除をお願いする人は多いと思います。
自宅への訪問に抵抗があるなら、家事の頻度を減らす、家族が担当を替わる、食事の準備方法を変えるなど、訪問を伴わない方法を模索することも大切です。
2.料金は、追加費用まで含めた総額で確認する
有料サービスを検討する場合は、表示料金だけでなく、交通費、最低利用時間、追加料金、キャンセル料、依頼できる作業の範囲を公式の案内や見積もりで確認しましょう。
この記事では特定の料金相場を前提にせず、実際に利用できるサービスの条件を見て判断することを提案します。
3.費用と一緒に、準備・連絡の担当も決める
頼む相手を探し、予約し、作業内容を伝え、支払うまでを、一人がすべて抱えると新たな負担になります。
「利用を提案した人が全部やる」と決めつけず、例えば一方が候補を調べ、もう一方が予約と当日の対応をするなど、手配も分担しましょう。
4.利用しない場合も、負担を減らす方法を決める
予算が合わず、今回は見送ることもあると思います。
そのときは、そのまま我慢する結論にしないことが大切です。
「平日の掃除を減らす」「週末の洗濯はもう一方が収納まで担当する」など、具体的に何を変えれば負担が軽減できるかなどを話し合うことが大切です。
ちなみに我が家が変えた家事の一つが、普段の洗濯物は干さない。という選択でした。もともと、ドラム式洗濯機を使用していましたが、洗濯から乾燥までを行うとかなりの時間を要します。
しかも、我が家のドラム式洗濯機購入直後から調子が悪く何度も修理に来てもらいました。
その時に導入したのが、電気式乾燥機です。フィルターの掃除は毎回必要ですが、ドラム式の乾燥よりもふんわり仕上がります。
部屋が暑くなるのは仕方ないけれど、梅雨時期も冬場のパーカーもしっかり乾きます。
半乾きのストレスから解放され、洗濯物を干す時間と場所の確保、雨の心配や洗濯物を取り込む家事からも解放されました。
たたむ必要はあるけれど、私の負担はすごく軽くなりました。
私が購入した乾燥機は、当時5~6万円くらいでした。我が家はドラム式の大型洗濯機を使用しているので、購入時約30万円くらいしました。
のちに、夫と話したことは普通の洗濯機と乾燥機を一台ずつ購入した方が安くなるという事でした。
5.一度試して、続けるか見直す
試すことに合意できたら、依頼範囲と支出の上限、振り返る日を決めます。
振り返りでは、仕上がりだけでなく、手配にかかった手間や、本当に休む時間ができたかも確認しましょう。
合わなければ内容や頻度を変えてよく、継続すること自体を目標にする必要はありません。
責め合いになりにくい、会話の例
以下は説明のための架空の会話例です。相手を説得し切ることより、困りごとと選択肢を共有する入り口として使ってください。
「自分でできるのにもったいない」と言われたら
「支出を増やしたくないのは私も同じだよ。ただ、今は週末も家事や掃除で休めないのがつらい。業者に頼む方法と、二人の分担を変える方法を一緒に考えてほしい」
「じゃあ自分がやる」と言ってくれたら
「ありがとう。じゃあ今週は、お風呂掃除を洗剤の確認から最後の片づけまでお願いできる? やってみて大変だったところは、週末に一緒に見直そう」
家に人を入れることが不安そうなら
「知らない人に来てもらうのは確かに心配もあるよね。業者に頼む前に、家事を減らす方法や分担を考えてほしい」
そのまま使える「お試し相談メモ」
スマートフォンのメモや紙に、次の項目を書いて一緒に埋めてみましょう。全部をその場で決めず、わからない項目は持ち帰っても大丈夫です。
- 減らしたい家事:____
- 今困っている時間帯・負担:____
- 試す方法(外注・分担変更・頻度を減らすなど):____
- 有料なら総額の上限と支払い方法:____
- 調べる人・予約する人・当日対応する人:____
- 試す日と振り返る日:____
- 利用しない場合に変える分担:____
家事を頼むかどうかより、二人が休める形を探す
家事代行を使うことにも、使わないことにも、家庭ごとの理由があります。
ただ、出費を抑えるために一人の休息がずっと後回しになっているなら、今のやり方を見直す余地があります。
今日すべてを変えなくてもかまいません。「いちばんつらい家事を一つ伝える」「来週の担当を一つ替わる」など、次の一週間で試せることから始めてみてください。
お金の話の切り出し方は、夫婦でお金の話をすると喧嘩になる|家計会議を成功させる7つのコツでも紹介しています。日々の負担を広く見直したい方は、家事・育児に疲れた夫婦が、笑顔を取り戻した5つの方法も参考にしてください。
参考資料
- 株式会社タスカジ「家庭内(ジェンダー間)の家事ギャップと家事代行利用の実態調査」(2021年11月実施、同サービスの依頼者351人へのインターネット調査)
- 東京都 TEAM 家事・育児「第54回:『名もなき家事』の名付け親に会ってみた」


