「うちは大丈夫」
子どもには、できればそう言っていたい。
でも実際の私は、頭の片隅でいつもお金の計算をしていました。
次の学費はいくらだっけ。いつまでに払うんだっけ。
今の貯金でどこまでいける?奨学金が入ったら、どこに充てよう。
上の子の進学が現実になってから、そんなことを考える時間が一気に増えました。
わが家も、教育費をまったく準備していなかったわけではありません。
子どもが小さい頃から学資保険に入り、「これだけ準備しておけば大丈夫」と思っていたんです。
ところが、いざ大学進学というタイミングになってみると、思っていたようにはいきませんでした。
頼りにしていた学資保険は、私が思っていた時期には受け取れない。
奨学金も、必要なタイミングですぐに入ってくるわけではない。
そして大学入学時には、100万円を超えるまとまったお金が必要になる。
「え、じゃあこのお金、どうするの?」
そこからは、本当に焦りました。
でも、私にとって苦しかったのは、お金が足りないことだけではありませんでした。
わが家の家計を管理しているのは私です。
だからこそ夫に、
「お金が足りない」
と言うのが、すごく嫌だったんです。
「家計を任せていたのに、なんで貯めてなかったの?」
そう思われるんじゃないか。
実際にそう言われたわけではないのに、自分の中で勝手にそんな怖さがありました。
それなら、私がもう少し稼げるようになりたい。
それが、私が副業を始めた大きな理由の一つです。
この記事では、教育費でつまずいたことも、親に頼ったことも、副業を始めては迷走してきたことも、できるだけそのまま書いてみようと思います。
まだ「副業で成功しました」と言える私ではありません。
むしろ、今も途中です。
だからこそ、同じようにお金の不安を抱えながら家族との生活も大切にしたいと思っている人に、何か伝えられることがあるのかもしれないと思っています。
「400万円あれば大丈夫」そう思って教育費を準備していた

子どもを産んだ頃、周りには私より先に子育てをしている人がたくさんいました。
そんな先輩ママたちから、教育費について聞くこともありました。
その頃に聞いたのが、
「高校から大学まで行かせるとしても、400万円くらい準備しておけば大丈夫じゃない?」
という話でした。
20年近く前の私は、
「そうなんだ。400万円くらいあれば大丈夫なんだ」
と、かなり素直に受け止めていました。
初めての子育てです。
大学にいくらかかるのかなんて、具体的に想像したこともありません。
そもそも私自身が、大学や専門学校に進学していないため情報を持っていませんでした。
そこでわが家も、将来の教育費として学資保険に入りました。
途中で一部を受け取ったため、最終的に残っているのは300万円ほど。
それでも私は、
「高校を卒業する頃にこのお金を受け取れれば、大学進学にも使える」
と思っていました。
だから、もちろん教育費への不安はありましたが、心のどこかには、
「学資保険があるから大丈夫」
という安心感もあったんです。
ところが、実際に大学進学が近づいてくると、そんなに単純な話ではありませんでした。
入学金だけではありません。
授業料、教材費、交通費、実習などで必要になるもの。
入学したあとにも次々とお金が必要になります。
そして何より大変なのが、大学にかかるお金は、毎月少しずつ払えばいいものばかりではないことでした。
ある時期に、まとまった金額が必要になる。
ここを私は、きちんと考えられていませんでした。
教育費と老後資金のバランスについては、教育費と老後資金、どちらを優先するかの記事でも整理しています。
高校卒業で受け取れると思っていた学資保険。ところが……

上の子の大学進学が近づき、
「そろそろ学資保険のことも確認しておかないと」
と思って確認したときのことです。
私はずっと、高校を卒業する頃には満期になり、まとまったお金を受け取れると思っていました。
ところが、違ったんです。
私が思っていたタイミングでは、まだ受け取れなかったんです。
「え……?」
最初は意味が分かりませんでした。
息子はもう18歳。
高校を卒業して、大学に入る。
入学時に必要なお金に使おうと思っていたのに、まだ保険料の支払いも残っていました。
「じゃあ、入学金どうするの?」
一気に焦りました。
契約したときの担当者は親戚の人でした。
「高校を卒業する頃には受け取れるから」
そんなふうに聞いた記憶があって、身近な人だったこともあり、私はすっかり安心していました。
でも、これは誰かを責めたいという話ではありません。
契約したのは私です。
本来なら、自分でも契約内容を確認しておくべきでした。
少なくとも息子が高校に入った頃に、
「満期はいつ?」
「実際に振り込まれるのはいつ?」
「大学入学時にはいくら手元にある?」
と確認しておけばよかった。
今ならそう思います。
でも当時の私は、
「学資保険に入っている=大学進学のときのお金は大丈夫」
と考えてしまっていました。
この経験で初めて気づきました。
教育費って、
「いくら準備しているか」だけじゃなく、「いつ、そのお金を使えるのか」がものすごく大事なんですよね。
300万円の学資保険があったとしても、100万円以上必要な日に手元になければ、その日の支払いには使えません。
当たり前のことなのに、私は実際にその状況になるまで分かっていませんでした。
もし今、学資保険に入っている方がこの記事を読んでいるなら、「いくら受け取れるか」と一緒に、「いつ受け取れる契約なのか」も一度確認してみてほしいです。
進学直前になって慌てた私から言えるのは、本当にこれです。
家計を任されていたから、夫には「足りない」と言いづらかった

そして、もう一つ苦しかったことがあります。
夫に相談することです。
わが家では、夫の給料もいったん私が預かり、そこから生活費や子どもにかかるお金、保険、その他の支払いをやりくりしてきました。
つまり、家計を管理していたのは私でした。
だから、
「大学のお金が足りない」
ということを夫に言うのが、ものすごく嫌でした。
夫から実際に、
「お前が貯めてなかったからやろ」
と言われたわけではありません。
でも私自身が、
「そう思われるんじゃないか」
と感じていました。
家計を任されていたのに。
大学に行く可能性があることだって、ずっと前から分かっていたのに。
どうして準備してなかったの?
そんなふうに言われたら、何も返せない気がしました。
でも、私としては何も考えずにお金を使ってきたつもりもありません。
毎月の生活があります。
子どもが二人いれば、それぞれにお金もかかります。
日々の暮らしの中で必要なものを払いながら、できる範囲で貯めてきたつもりでした。
それでも、
「じゃあ今、100万円、150万円用意して」
となったときに、
「はい」
とポンと出せるほどの余裕はありませんでした。
学資保険があるから。
奨学金もあるから。
なんとかなると思っていました。
ところが、学資保険は間に合わない。
奨学金も入学してから。
わが家が利用した奨学金は、きちんと手続きが進めば4月分から支給される予定でした。
ですが、我が家の場合当初の手続き時の書類が足りないとのことで手続きが遅れたんです。
後になって、追加の書類を提出するように連絡があったんです。
そのため後期の学費納入には、全額は間に合いませんでした。
でもそこは貯金と合わせれば、なんとかなる。
問題は、最初でした。
「入学するためのお金を、どうする?」
そこからは、まさに金策です。
最終的に、私はまず親に相談しました。
親にも一部を借りました。
いい大人になって、子どもの大学のお金のことで親に相談する。
正直、情けない気持ちがなかったと言えば嘘になります。
でも、入学金の支払い期限はこちらの事情なんて待ってくれません。
借りられるところから一時的に借りたり、親にも助けてもらったりしながら、なんとか最初のお金を工面しました。
今振り返ると、
「本当に出だしを失敗したな」
と思います。
そして同時に、
「もっと早く夫に話せばよかった」
とも思います。
家族のお金なのだから、本当は私一人の問題ではありません。
夫婦で考えればよかった。
夫婦でお金の話をするのが難しいときは、家計会議を成功させる7つのコツも参考にしてみてください。
でも当時の私は、「足りない」と言うことが、家計を任されてきた自分の失敗を認めるようで、なかなか言い出せなかったんです。
それでも「お金がないから」と息子に諦めてほしくなかった
ここまでして大学に行かせる必要があるのか。
そう考える人もいると思います。
私自身も、
「これは親の見栄なのかな」
と思ったことがあります。
たぶん、少しはあったと思います。
「大丈夫。行っていいよ」
と子どもに言える親でいたかった。
でも、それだけではありません。
息子には、お金のことだけを理由に、行きたいところを諦めてほしくなかったんです。
本人が行きたいと思って選んだ進路なら、できる限り行かせてあげたい。
あとになって私たち夫婦が、
「あのとき行かせてあげればよかったね」
と後悔したくなかった。
そして息子にも、
「あのとき、本当は行きたかった」
と後悔してほしくなかった。
だから、できるだけ息子にはお金の心配をさせたくありませんでした。
親に借りたことも。
私があちこちお金を工面していたことも。
できれば、あまり感じさせたくなかった。
「大丈夫だから」
と言って送り出してあげたかったんです。
その選択自体は、今も後悔していません。
ただ、親の側は全然「大丈夫」ではありませんでした。
次はいくら必要なのか。
いつまでに払うのか。
奨学金はいくら入るのか。
貯金をどこまで使うのか。
家族と普通に過ごしていても、頭のどこかでずっと計算している。
そんな状態が続きました。
そして、あるとき思ったんです。
「私がもう少し稼げるようになればいいんじゃない?」
「私がもう少し稼げれば」と思って副業を始めた

もちろん、本業の仕事を増やすことも考えました。
でも勤務時間やシフトの都合もあり、簡単に好きなだけ働く時間を増やせるわけではありません。
生活費を削るにも限界があります。
夫に、
「もっと稼いで」
と言っても、会社員はそうはいきません。
それなら、自分で別の収入を作れないだろうか。
家にいながらできる仕事はないだろうか。
そう考えて、副業について調べるようになりました。
「主婦 副業」
「在宅 仕事」
「初心者 副業」
時間があれば検索しました。
家事が終わったあと。
仕事が休みの日。
少し時間ができれば、スマホやパソコンで調べる。
そして、
「これなら私にもできるかもしれない」
と思うものを見つけては挑戦してきました。
副業を始めた理由は、もちろんお金です。
そこは、きれいごとにするつもりはありません。
月に3万円でも、5万円でも、自分で作れる収入があったら。
学費を払うときの不安も少し減る。
急な出費があっても、今ほど焦らなくて済む。
夫に「足りない」と言わなければならない場面も減るかもしれない。
でも今振り返ると、欲しかったのはお金だけではなかった気がします。
お金の不安で、家の中の空気まで悪くしたくなかった。
夫婦でお金のことでギスギスしたくなかった。
子どもにも家計の不安を背負わせたくなかった。
そして何より、
「私にもできることがある」
と思いたかったんだと思います。
でも、副業は思っていたほど簡単ではなかった
ここで、
「そして副業を始めて、今では月〇万円稼いでいます」
と書ければ、この記事としてはきれいなのかもしれません。
でも、残念ながら私はまだそこまで行っていません。
むしろ、失敗したことの方がたくさんあります。
副業について調べれば調べるほど、次から次へと新しい情報が出てきます。
「今はこれが稼げる」
「初心者ならこれ」
「これから伸びる副業」
「AIを使えば簡単」
そんな情報を見るたびに、
「じゃあ、こっちの方がいいのかな」
と思ってしまう。
そして新しいものを始める。
しばらくすると、また別の情報を見つける。
また気になる。
気づけば、いろいろ経験しているのに、どれも中途半端。
そんな状態になっていました。
ブログもその一つです。
最初は「稼ぐならトレンド系」という情報を参考にして、自分ではそれほど興味のないテーマの記事を書いていたこともあります。
でも、書いていて楽しくない。
「これって、本当に私が書きたいことなのかな」
という気持ちがずっとありました。
当然、続けることも苦しくなりました。
今は、自分自身が長い結婚生活の中で経験してきたことを生かして、夫婦関係を中心にブログを書いています。
この記事を書いているのも、その一つです。
とはいえ、ブログを方向転換したからといって、急にたくさんの人に読まれるようになったわけではありません。
副業として収入になったわけでもありません。
今だって試行錯誤しています。
でも以前と少し違うのは、
「続かなかった=私には根性がない」
とだけ考えなくなったことです。
副業の情報って、本当に多いんですよね。
だからこそ、
「何が一番稼げるのか」ではなく、「私は何なら続けられるのか」
を考える必要があったんだと思います。
SNSの「月〇万円達成」と自分を比べるのをやめた
副業を始めた頃、SNSでよく目にする投稿がありました。
「今月〇万円達成!」
「副業開始〇か月で収益化!」
「主婦でも月〇万円!」
最初は、
「すごい!」
「私もこうなりたい!」
と思いました。
そして、その人が紹介している方法を調べたり、同じツールを使ってみたり。
でも、思うような結果は出ません。
すると今度は、
「私は何をやってるんだろう」
「なんで私だけ稼げないんだろう」
と思うようになりました。
でも、いろいろな副業に挑戦してきて、少しずつ考え方が変わりました。
SNSに出ている「月〇万円」という数字だけでは、その人がどんな条件でそこまでたどり着いたのかは分かりません。
副業に使える時間も違う。
これまでの経験も違う。
家族の状況も違う。
使えるお金も違う。
もしかしたら、何年も積み上げてきたものがあるのかもしれない。
それなのに、私は結果の数字だけを見て、自分と比べていました。
私には本業があります。
家事もあります。
家族との時間だって大切にしたい。
副業のために、大きなお金を使えるわけでもありません。
だったら、条件の違う誰かと同じスピードで結果が出なくても当然なんですよね。
それに、そもそも私は何のために副業を始めたんだろう。
そこを考えたとき、ハッとしました。
家族との生活を良くしたくて始めたはずだったんです。
それなのに、副業の結果が出ないことでイライラしたり、家族との時間を全部削ったりしていたら、何のために始めたのか分かりません。
誰かに勝つために始めたわけじゃない。
SNSで「月〇万円達成」と報告するために始めたわけでもない。
家族のお金の不安を、少しでも減らしたかっただけなんです。
今は「全部すぐに解決しなくてもいい」と思っている
大学の学費については、今もすべてが終わったわけではありません。
奨学金も利用します。
貯金も使います。
必要なところは、これから返していくものもあります。
でも今は、
「子どもが大学に行っている間に、全部きれいに片づけなきゃ」
とは思わなくなりました。
子育てが一段落してから返していくことだってできます。
今はまず、この数年間を家族で乗り切る。
それでいいと思っています。
副業についても同じです。
まだ成功していません。
たくさん遠回りしました。
今でも、
「これで合っているのかな」
と思うことがあります。
それでも、これまでやってきたことが全部無駄だったとは思っていません。
ブログをやってみたから分かったこと。
SNSをやってみたから分かったこと。
いろいろな副業に手を出して、続かなかったから分かったこと。
そして、お金のことで本気で困ったからこそ分かったこともあります。
私は、誰かよりたくさん稼ぎたいわけではありません。
お金のことで夫婦がギスギスする時間を減らしたい。
子どもに必要以上のお金の心配をさせたくない。
そして家族で、普通に笑って暮らしたい。
結局、欲しいのはそこなんだと思います。
副業を始めた頃の私は、
「早く稼がなきゃ」
と焦っていました。
今も収入を増やしたい気持ちはもちろんあります。
でも、
家族との暮らしを良くするために始めた副業で、家族との暮らしを犠牲にしない。
これは忘れないようにしたいと思っています。
そして、この記事を書いていてもう一つ思いました。
家計を任されているからといって、お金の問題まで一人で背負わなくていい。
あの頃の私は、
「私が何とかしなくちゃ」
と思いすぎていたのかもしれません。
夫婦のお金なのだから、本当は夫婦で困っていいし、夫婦で考えていい。
今なら、そう思えます。
もし今、
「もっと私が頑張らなきゃ」
「もっと稼がなきゃ」
「ちゃんと貯められなかった私が悪い」
と一人で抱えている人がいたら、私と同じように全部を自分だけの責任にしなくてもいいのかもしれません。
私自身も、まだ途中です。
副業で大成功したわけでもないし、お金の心配が全部なくなったわけでもありません。
だから、このブログでは成功した話だけではなく、失敗したことも、迷っていることも書いていきたいと思っています。
20年近く前、
「400万円くらい準備しておけば大丈夫」
と思って始めた教育費の準備。
まさかそこから、大学入学直前に慌ててお金を工面し、副業まで始めることになるとは思ってもいませんでした。
人生、本当に予定どおりにはいきません。
でも、予定どおりにいかなかったからこそ、今こうして考えられることもあります。
お金は大切。
でも私が守りたかったのは、お金そのものではなく、その先にある家族との暮らしだったんだと思います。
そして今も、そのための方法を探している途中です。


