生活費10万円ずつは本当に公平?共働き夫婦の負担割合を見直す方法

家計を確認する共働き夫婦と「生活費10万円ずつ 本当に公平?」の文字 お金と夫婦関係

共働き夫婦なら、生活費は半分ずつ。それがいちばん公平に見えますよね。ところが、同じ金額を出していても、片方だけが苦しくなることがあります。

同じ金額を出すのは「平等」でも、負担感まで同じとは限りません。手取り、家事や育児、通勤時間、仕事に必要な出費など、夫婦の状況は数字だけでは比べられないからです。

この記事では、折半・収入比・項目別分担の違いと計算例を紹介し、二人が無理なく続けられる生活費の決め方を考えます。

折半でも不公平になる理由

たとえば夫の手取りが30万円、妻が20万円で、生活費が月20万円だとします。10万円ずつ出せば金額は同じです。しかし、夫は収入の3分の1、妻は半分を生活費に出すことになります。残るお金の差は大きく、妻だけが貯金や自由な買い物をしにくくなります。

さらに、妻が時短勤務で収入を減らしながら、家事や育児を多く担っているならどうでしょう。収入が少ない側に、現金でも時間でも同じ負担を求めることは、本当に公平とは言い切れません。

生活費の分担方法は主に3つ

1.完全に折半する

生活費を同額ずつ出す方法です。収入がほぼ同じで、家事や育児の負担にも大きな差がない夫婦にはわかりやすい方法です。

2.手取り収入の割合で分ける

手取りが夫6、妻4なら、生活費も6対4で負担します。先ほどの生活費20万円なら、夫12万円、妻8万円です。それぞれが収入の同じ割合を家庭へ出すため、収入差がある夫婦でも納得しやすくなります。

3.支出項目ごとに担当する

夫が家賃と光熱費、妻が食費と日用品というように担当を分けます。管理は簡単ですが、値上がりしやすい食費を担当した側だけ負担が増えることがあります。半年に一度は金額を確認しましょう。

二人に合う割合を決める5ステップ

生活費の負担割合を決める5ステップ
  1. 二人の手取り収入を確認する
  2. 共同生活に必要な支出をすべて書き出す
  3. 家事・育児・介護など時間の負担も確認する
  4. 毎月それぞれに残したい貯金額と自由費を話す
  5. 3か月試し、苦しい部分を見直す

最初から完璧な割合を決める必要はありません。実際に生活してみないと見えない出費もあります。仮のルールとして始め、調整する前提にすると話しやすくなります。

収入を見せたくないと言われたら

別財布の夫婦では、相手の正確な収入を知らないことがあります。自由を守ることと、家計に関わる情報を隠すことは別です。少なくとも手取りのおおよその額、借金の有無、毎月の固定支出は共有した方が安心です。

給与明細を細かく監査する形ではなく、「生活費の割合を公平にするために、今の手取りだけ確認したい」と目的を伝えましょう。

妊娠・育休・転職時は必ず見直す

収入が減ったのに以前と同じ金額を出し続けると、個人の貯金だけが減っていきます。育休や時短勤務は家庭のための選択でもあります。減収を一人の問題にせず、夫婦全体で負担する視点が必要です。

転職、病気、親の介護など、働き方が変わるときも同じです。生活費の割合は一度決めたら終わりではなく、暮らしに合わせて変えてよいものです。

共働きの生活費割合を計算する3つのケース

生活費を折半と収入比で分けた場合の比較
手取り生活費折半した場合折半時の負担率収入比で分担収入比の負担率
夫25万円・妻25万円20万円各10万円各40%各10万円各40%
夫30万円・妻20万円20万円各10万円夫33.3%・妻50%夫12万円・妻8万円各40%
夫40万円・妻20万円20万円各10万円夫25%・妻50%夫約13.3万円・妻約6.7万円各約33.3%

自分の負担額=共有生活費×自分の手取り÷夫婦の手取り合計

収入比は、夫婦それぞれの手取りを合計し、各自の割合を出します。夫30万円、妻20万円なら合計50万円で、夫60%、妻40%です。共有生活費20万円に掛けると、夫12万円、妻8万円になります。

この方法は、同じ金額ではなく同じ負担率を目指す考え方です。ただし、個人の奨学金や仕事上必要な支出、家事・育児時間もあるため、計算結果を絶対にせず調整します。

収入比なら必ず公平とは限らない

収入比は分かりやすい方法ですが、計算結果をそのまま正解にする必要はありません。時短勤務による減収、奨学金の返済、仕事に必要な支出、家事・育児・介護の負担などによっては、さらに調整が必要です。

生活費を出したあとに、二人とも貯金できるか、自由に使えるお金と休める時間が残るかを確認しましょう。

生活費に含めるもの・含めないもの

生活費の共有費と個人費の分け方
共有費にしやすい個人費にしやすい
家賃・住宅ローン個人の服・美容
光熱費・食費・日用品友人との食事
家族の通信費個人の趣味
子どもの費用独身時代の借金
家族の保険・医療費個人だけのサブスク

境界が曖昧なのは、車、帰省、冠婚葬祭、仕事用の服、昼食代です。家庭ごとに必要性が違うため、事前に共有費か個人費かを決めます。

個人の借金や奨学金を共有費から返すかどうかも、夫婦で決めます。ただし、毎月の返済額は生活費の負担能力に影響するため、存在とおおよその残高は共有しておきましょう。

家事・育児負担をお金にどう反映する?

時短勤務で手取りが減った側が、保育園の送迎、夕食、洗濯、子どもの看病も多く担う場合、単純な収入比だけでも不公平になることがあります。時短による減収が家庭を回すために生じているからです。

内閣府の男女共同参画白書によると、2021年時点で、6歳未満の子どもがいる共働き夫婦の家事関連時間は、妻が77.4%を担っていました。家庭ごとの差はありますが、収入だけで負担割合を決めると、時間の負担を見落とす可能性があります。

現金負担を軽くする、自由時間を同じ程度確保する、家事代行や宅配費を共有費にするなど、複数の方法があります。家事を時給換算して厳密に請求し合うより、「片方だけ貯金も休息もない状態になっていないか」を基準に確認しましょう。

夫婦で使う生活費用口座への入金例

生活費20万円、共同貯金5万円、年間支出の積立3万円なら、生活費用口座へ入れる金額は月28万円です。この28万円は生活費だけでなく、「生活費20万円+共同貯金5万円+年間支出の積立3万円」を合わせた金額です。

収入比6対4なら、夫16万8千円、妻11万2千円を給料日に入金します。固定費だけでなく、税金、家電、旅行、冠婚葬祭などの年間支出も月割りにすると、突然の請求で揉めにくくなります。

共働きの生活費を見直すタイミング

  • 昇給、転職、退職で手取りが変わった
  • 妊娠、育休、時短勤務になった
  • 子どもの進学や習い事が始まった
  • 住宅購入や引っ越しをした
  • 親の介護や仕送りが始まった
  • 物価上昇で担当項目の負担が増えた

半年ごと、または大きな変化のたびに見直します。「最初に決めたから」と無理を続けると、小さな不公平感が夫婦関係の不満へ変わります。

共働きの生活費割合でよくある質問

年収と手取り、どちらで計算しますか?

実際に生活へ使える金額に近い手取りで計算します。給与明細の差引支給額を目安にしますが、通勤手当や立替経費など自由に使えないお金は除いて考えます。

残業代や歩合で毎月の収入が変わる場合は、直近3〜6か月の平均を使う方法があります。ボーナスは毎月の生活費に含めず、共同貯金や年間支出への配分を別に決めると管理しやすくなります。

収入の少ない側が家事を多くするべき?

収入額だけで家事量を決めると、勤務時間が同じなのに負担だけ偏ることがあります。労働時間、通勤、体調、育児を含め、二人が休める時間も確認します。

完全折半を変えたいと伝えるには?

「折半が嫌」ではなく、「今は手取りの半分以上を生活費に出し、貯金できない」と数字で伝えます。3か月だけ収入比を試す提案にすると、相手も受け入れやすくなります。

フリーランスや歩合制で収入が毎月違う場合は?

直近3〜6か月、または前年の手取り平均を基準にします。毎月最低限入れる金額を決め、収入が多かった月は共同貯金へ追加する方法もあります。

参考情報

ニッセイ基礎研究所の資料は、2018年に実施されたインターネット調査をもとにした2019年公開のレポートです。現在のすべての共働き世帯を示すものではなく、家計管理方法の一例として参照しています。

共働き家計分担シートの作り方

紙を二つに分け、左へお金、右へ時間を書きます。お金には手取り、共有費、個人固定費、貯金を記入します。時間には勤務、通勤、家事、育児、介護、自由時間を一週間単位で書きます。

このシートの目的は、家事を厳密に値段へ換算することではありません。妻は収入が少ないから生活費負担も少ないと思っていたが、自由時間もほとんどない、といった見えない偏りを発見するためです。

調整するときは、現金負担を変える、担当家事を移す、外部サービスを共有費で使う、自由時間を交代で確保するという四つから選びます。共働きの生活費割合は、お金だけでなく二人の生活全体が続く形にすることが大切です。

3か月後の確認項目

生活費を3か月試した後の見直しチェック
  • 個人貯金が減り続けていないか
  • 自由時間が片方だけ少なくないか
  • 共有口座が不足していないか
  • 家事負担に不満がないか
  • 急な支出に備えるお金を確保できているか

まとめ

共働き夫婦の生活費は、必ずしも折半が正解ではありません。収入比、家事や育児の負担、残せる貯金額まで見て、二人が続けられる割合を探すことが大切です。

まずは今の負担を金額と時間の両方で書き出し、「どちらが正しいか」ではなく「どうすれば二人とも苦しくないか」を話してみてください。

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