『塔の上のラプンツェル』を観たあと、なぜか歌声とセリフの響きがずっと残っている。
そんな経験をした人は、実は多いはずです。
それは、日本語吹き替え版ラプンツェルが “2人の表現者によって完成している作品” だから。
ラプンツェルの歌声を担当するのは、透明感のある声が魅力のミュージカル女優・小此木麻里さん。
そして、セリフ・感情表現を担当するのは、声優・歌手として活躍する中川翔子さん(しょこたん)。
声と歌を分けたキャスティングそのバランスが、作品の世界観をより深く、より鮮やかに私たちに届けています。
この記事では、
✔ なぜラプンツェルは2人で演じられたのか
✔ 小此木麻里さんと中川翔子さん、それぞれの魅力
✔ この吹き替え版が“心に残る理由”
について、じっくり掘り下げていきます。
① ラプンツェルの声優は2人だった?そのキャスティングの背景

『塔の上のラプンツェル』の日本語吹き替え版では、ひとりのキャラクターに2人のアーティストが関わっています。
セリフの声を担当したのは、中川翔子さん。
そして、歌唱パートを担当したのが、ミュージカル女優・小此木麻里さんです。

なぜ声と歌が分かれているの?
そう思う人もいるかもしれません。
実はディズニー作品では、演技と歌がそれぞれ専門性の高い領域として扱われることがあり、より完成度を高めるために分業されることがあります。
ラプンツェルの場合も例外ではなく、キャラクターの明るさ、強さ、夢見る心を最大限に表現するために、最適な組み合わせが選ばれたのです。
② 小此木麻里の魅力|透明感ある歌声が作るプリンセスの世界

小此木麻里さんの歌声には、クリスタルのような透明感があります。
高音の伸びやかさ、繊細な声の vibrato(ビブラート)、そして柔らかい響き。
まさに「塔の上で初めて世界に触れた少女」の心を、声だけで描いているようです。
ただ歌うのではなく、ひとつひとつのフレーズに「感情の色」を含ませられること。
これは、舞台で積み重ねてきた経験があるからこそ生まれる表現力。
歌声だけで物語が進む——
そんな不思議な感覚を与えてくれるアーティストです。
③ 中川翔子(しょこたん)の表現力|感情を運ぶ言葉の力

一方、中川翔子さんの演技はとても自然で、感情がまっすぐ伝わってきます。
喜び、戸惑い、怒り、切なさ
そのひとつひとつが丁寧に届けられ、観ている私たちは、気づくとラプンツェルの感情の変化に寄り添っています。
とくに印象的なのは、夢を語るシーン。
言葉の温度、息遣い、心の揺れまで聞こえてくるような繊細な演技は、セリフを超えて「体験」へと変わります。
中川翔子さんは声を届けるだけではなく、ラプンツェルの人生を届けているのです。
④ 声と歌が別だからこそ生まれたラプンツェルの感動

声優と歌唱が別だと違和感があるのでは?
そう思う方もいるかもしれません。
でも実際は、その逆。
セリフと歌声が自然に繋がり、ひとりのキャラクターとして完成しています。
これは両者の声質が近いというだけではなく、役としての感情軸が一致しているから。
小此木麻里さんも中川翔子さんも、ラプンツェルというキャラクターを深く理解し、同じ方向に向けて表現しているからこそ、違和感ではなく調和が生まれています。
その結果、観ている私たちの心には、
ただの「吹き替え声優」ではなく、
「忘れられないラプンツェル」が残るのです。
✨まとめ|声と歌、2人でひとつのラプンツェル
小此木麻里さんの透明感ある歌声。
中川翔子さんの温度のある演技。
このふたりの力が合わさることで、ラプンツェルはただのキャラクターではなく、心を持つ存在としてスクリーンに立ち上がりました。
もし、まだ吹き替え版を観ていないなら
ぜひ一度、その声の美しいバトンリレーを感じてみてください。
そしてすでに観たことがある人も、
「声」と「歌」の視点で観ると、きっと新しい発見があります。
ラプンツェルは、2人のアーティストが命を吹き込んだ奇跡のプリンセス。
心に残るのは、その丁寧な想いと表現が詰まっているからなのです。


